今期のドラマで話題を呼んでいるのが『最愛』(TBS系)と『真犯人フラグ』(日本テレビ系)だ。いずれも長編ミステリーという共通を持つが、それぞれのドラマを支援する人たちの傾向は少し違うようだ。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
本季日劇中備受矚目的是《最愛》(TBS電視臺)和《真兇標籤》(日本電視臺)。雖然都是長篇懸疑劇,但兩部電視劇的受眾似乎略有不同。專欄作家兼電視解說員木村隆志先生對此進行了解說。
12月に入って秋ドラマが終盤戦に入り、クライマックスに向けて物語が動く中でも、ネット上で特に盛り上がっているのが、『最愛』と『真犯人フラグ』の2作。
進入12月,秋季日劇進入尾聲,故事即將推向高潮,《最愛》和《真兇標籤》這兩部作品在網路上尤為火爆。
どちらも長編ミステリーであり、『最愛』は見逃し配信で今秋トップどころかTBSドラマ最高の數値を叩き出し、『真犯人フラグ』は放送前後を中心に活発な書き込みが見られます。
兩部都是長篇懸疑劇,《最愛》不僅在點播數上創下了今秋最高紀錄,還創下了TBS電視劇的最高紀錄,《真兇標籤》則是在播出前後擁有十分活躍的觀眾留言。
『最愛』は『夜行観覧車』『Nのために』『リバース』(TBS系)、『真犯人フラグ』は『あなたの番です』(日本テレビ系)と、「どちらも長編ミステリーの製作に長けたスタッフが手がけている」という共通點があるにもかかわらず、なぜ異なる形で盛り上がっているのでしょうか。
《最愛》和《夜行摩天輪》、《為了N》、《反轉》(TBS臺),《真兇標籤》和《輪到你了》(日本電視臺),其共同點都是由擅長製作長篇懸疑劇的工作人員製作的,但為什麼會以不同的形式流行起來呢?
考察の『真犯人』、ストーリーの『最愛』
推理的《真兇》,故事的《最愛》
まず『真犯人フラグ』は、各話の終盤で『あなたの番です』を思い出させるようなショッキングなシーンを連発。
首先是《真兇標籤》,每一集的結尾連連出現令人震驚的場景,讓人聯想到《輪到你了》。
主人公・相良凌介(西島秀俊)の勤務先に子どもの冷凍死體が送られてきたり、建設している新居の基礎コンクリートに娘の靴が埋められていたり、自宅の窓ガラスを突き破ってサッカーボールが蹴り込まれたり、監禁された娘・光莉(原菜乃華)の動畫が送られてきたり、住宅メーカーの営業マン・林洋一(深水元基)と妻・真帆(宮沢りえ)の密會寫真が送られてきたり……そのたびにネット上は考察を楽しむ人々のコメントが飛び交っています。
主人公相良凌介(西島秀俊飾)的工作單位收到了孩子的冷凍屍體、正在建設的新家的基礎混凝土裡埋著女兒的鞋子、撞破自家玻璃窗的足球、收到被監禁的女兒光莉(原菜乃華飾)的影片、房屋製造商營業員林洋一(深水元基飾)和妻子真帆(宮澤理惠飾)的密會照片被寄來......每次網路上都會出現很多喜歡推理的人的評論。
さらに情報番組の『スッキリ』(日本テレビ系)で毎週金曜日に元テレビ東京プロデューサー・佐久間宣行さんを招いて、“生考察コーナー”を放送。このほかにも、犯人を予想するアンケートランキング「一番怪しいのは誰!? みんなの真犯人フラグ」、気になるシーンの本編切り出し動畫や「あなたが真犯人?バカなフリして聞いてみた」というキャストインタビュー動畫などもあり、ネット上の考察をさらに加速させるような工夫が見られます。
而且,在資訊節目《スッキリ》(日本電視臺)中,每週五邀請原東京電視臺製片人佐久間宣行先生,進行“現場考察環節”。除此之外,還有預測犯人的問卷調查排行榜“最可疑的是誰!?大家的真兇標籤”、從正片中截出的令人在意的場景影片和“你就是真兇嗎?裝傻地試探一下”的角色採訪影片等。這進一步地加速了網友們的推理。
また、前回放送では『あなたの番です』のキャラクターである醫師・藤井淳史(片桐仁)と看護師・桜木るり(筧美和子)が劇中に登場。今後もさらなるキャラクターの出演が見込まれるなど、思わずネット上に書き込みたくなる仕掛けが用意されています。
另外,之前播出的《輪到你了》中的角色醫生藤井淳史(片桐仁飾)和護士櫻木琉璃(筧美和子飾)也在此劇中登場。今後還會有更多的角色出演,劇組的特意安排讓人忍不住想在網上留言。
一方、『最愛』にはショッキングなシーンや書き込みを加速するような仕掛けは少なく、あくまでストーリー重視。15年前の渡辺康介(朝井大智)失蹤事件と、起きたばかりの父・渡辺昭(酒向芳)殺人事件をめぐるミステリーと、真田梨央(吉高由裡子)、宮崎大輝(松下洸平)、加瀬賢一郞(井浦新)、朝宮優(高橋文哉)を中心にした最愛の人をめぐるせつない物語で、視聴者の関心を引きつけています。
另一方面,《最愛》中很少會有令人震驚的場景和的引發熱議的懸念,始終重視故事情節。本劇講述了圍繞15年前渡邊康介(朝井大智飾)失蹤事件和剛剛發生的其父渡邊昭(酒向芳飾)被殺事件的懸疑劇情,以及以真田梨央(吉高由裡子飾)、宮崎大輝(松下洸平飾)、加瀨賢一郞(井浦新飾)、朝宮優(高橋文哉飾)為中心的圍繞最愛之人的悲情故事,吸引了觀眾的關注。
ネット上にはミステリーの考察も書きこまれていますが、圧倒的に多いのは作品全體を稱える聲。「今期イチ」「ストーリーも映像も悽い」「一人ひとりの演技に圧倒される」「一週間が待ち遠しい」などと、さまざまな角度から稱賛され、考察が前に出ることはそれほどありません。
網路上也有對懸疑劇情的推理,但絕大多數是對作品整體的稱讚。“本季第一”、“故事和畫面都很棒”、“被每個人的演技折服”、“期待下一週”等,從各種角度得到稱讚,但在前列很少有推理的評論。
『真犯人フラグ』の視聴者には「少しでも早く犯人を當てたい」という人が多く、ブームが続いている謎解きクイズやイベントなどと同じような楽しみ方をしているようです。一方、『最愛』の視聴者にはこれといった屬性は感じられません。長編ミステリーの犯人捜しを楽しむようなコアなドラマファンだけでなく、むしろそれほどドラマを見ない人が「一度見たら引きつけられて次が気になっている」という狀態が散見されます。
《真兇標籤》的觀眾中有很多人“想要儘早猜中兇手”,似乎和火熱的解謎猜謎活動等有著同樣的樂趣。另一方面,在《最愛》的觀眾中感受不到這些屬性。不僅有享受尋找懸疑劇的犯人的核心劇迷,還有不怎麼看電視劇的人,“一旦看了就會被吸引,迫不及待想看下一集”。
『真犯人フラグ』は年またぎに注目
《真兇標籤》是跨年關注的焦點
考察重視で謎解きの好きな視聴者層がメインの『真犯人フラグ』と、ストーリー重視で視聴者層の幅広い『最愛』。
以重視推理、喜歡解謎的觀眾為主的《真兇標籤》和重視故事、觀眾廣泛的《最愛》。
前者は伏線を探すために細部までチェックし、熱のこもった考察をする分、作品に対する評価のハードルが上がります。実際、考察を楽しむ聲だけでなく、「『あな番』のような結末は避けてほしい」「『続きはHulu』だけはやめて」など不安の聲も少なくありません。
前者的觀眾為了尋找伏筆,連細節都要仔細檢查,進行熱烈的推理,相應地,作品的評價門檻就會提高。實際上,不僅僅有享受推理的聲音,“希望避免《輪到你了》那樣的結局”“只要別說‘續集在Hulu播出’”等不安的聲音也不少。
一方、後者は伏線などをさほど気にせず、登場人物への共感や応援の聲が目立ち、やはり考察ではなく「幸せになってほしい」「この人が犯人だけはやめて」など思い入れたっぷりのコメントが見られます。
另一方面,後者則不太在意伏筆等,對登場人物的共鳴和支援的聲音很突出,可以看到不是推理而是“希望他幸福”“只希望這個人不是犯人”等用心的評論。
ここまではプロデュースやコンセプトの違いが、視聴者層と見方の違いにつながっていますが、特に『真犯人フラグ』はこのまま最後まで進むとは思えません。そもそも『最愛』は今月で最終話を迎えますが、『真犯人フラグ』は年をまたぐ2クール放送。
到此為止,兩部劇製作和概念的不同,導致了觀眾層和觀眾看法的不同,特別是《真兇標籤》不會就這樣一直到結局。原本《最愛》在本月就將迎來最終話,而《真兇標籤》則是跨年度播出第二季。
『あなたの番です』は折り返し地點で「主人公の1人である手塚菜奈(原田知世)が殺される」という、まさかの展開から視聴者の感情移入をうながしたように、『真犯人フラグ』も12月末に急展開があって、ストーリー重視の見方が増えるかもしれないのです。
正如《輪到你了》在轉折點“主人公之一的手冢菜奈(原田知世飾)被殺”的意外展開中讓觀眾投入感情一樣,《真兇標籤》也將在12月末迅速展開,也許重視故事情節的看法會增加。
もともと長編ミステリーは、「途中からの視聴がほとんど期待できない」という點で難易度が高く、めったに放送されない貴重なジャンル。異なる魅力を持つどちらの作品も、最後までミステリーと人間ドラマの両方を存分に楽しんでおきたいところです。
本來長篇懸疑劇因為“幾乎不能半途開始看”這一點,難度很高,是很少播出的珍貴題材。無論哪部作品都有著不同的魅力,到最後都要盡情享受推理和人性劇的樂趣。
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